睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に何度も呼吸が止まる病気です。
症状としては、激しいいびきや、自覚症状では、夜間の尿量・回数が多い、寝汗をかく、朝起きた時に頭が重い、昼間の強い眠気、集中力の低下などがあります。
無呼吸を伴ういびきは、いびきがしばらく止まり(平均30秒、長いときは2分以上)、その後あえぐような激しい息、またはいびきで呼吸が再開するのが特徴です。また、無呼吸により覚醒反応として短時間の目覚めが起こるため、睡眠がとぎれとぎれの質の悪いものとなり、自覚症状として、朝起きた時の頭の重さや強い眠気、集中力の低下が現れるようになります。この場合、寝不足とは異なるため、長時間睡眠を取っても熟睡感は得られません。
さらに合併症として、無呼吸により心臓に負担がかかり高血圧、心筋梗塞、脳卒中などが起こりやすくなります。
原因としては、肥満によりのどや舌に脂肪がつくことで呼吸の通り道を前後で圧迫してしまうことや、舌の根元が落ち込む舌根沈下、小さい顎、鼻炎による鼻づまり、アデノイドや扁桃が大きい、などがあります。
治療は、診察や検査結果から、対症療法や生活習慣の改善指導などと組み合わせて行ってまいります。重症度の場合は、まずは無呼吸を改善するためにCPAP療法を開始していただくことが大切です。また中症度として睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は、入院による精密検査(※)を行っていただくことをお勧めいたします。
※終夜睡眠ポリグラフ検査として、一晩にわたり睡眠中の脳波・眼球運動・心電図・呼吸・いびき・酸素量などの生体活動を測定し、睡眠時無呼吸症候群の重症度を判断します。専門施設での入院が必要となります。